執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
 


「雅文と付き合っていたのは三年も前のことなんだから、当たり前でしょ」
「当たり前?」

 雅文は視線をゆっくりとパンプスからこちらに移動させ、首をかしげた。

「三年もあれば、誰でも変わるわ」

 なるべく素っ気なく無感情に聞こえるように必死に動揺を隠しながらそう言った。そんな私を見つめながら、雅文は綺麗な口元を歪めるようにしてどこかさみしげに笑う。

「たしかに。あの頃よりも髪も伸びたし大人っぽくなった」

 三年前は肩につくかつかないかくらいの長さだった髪は、今では胸のあたりまで伸びていた。シーツの上に広がったゆるく波打つ私の髪の毛を見下ろして、雅文は眉をわずかにひそめた。



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