執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
ほとんどの社員は出払っていて人影もまばらだったフロアが、声が大きく華やかな印象の彼の登場で急に賑やかになった。
「わ。持ってきてくれたんだ、ありがとう。取りに行こうと思ってたのに、ごめんね」
私はお礼を言いながらポスターを受け取る。
「別にいいよ、ついでだし。それから、六年前のリーフレット欲しいって言ってたから倉庫から探してきた」
「わー! わざわざ探してくれたの? うれしい。今度お礼にランチおごるよ」
「いいって。それよりこんな昔のリーフレットなんてどうすんの?」
「担当してる店舗のバイトさんでリーフレットを集めるマニアの子がいて、欲しがっていたから」
「バイトにまで気をかけてんのか。相変わらず広瀬はみんなの世話を焼くオカンなのなー」
呆れ気味の田端くんにそう言われ、鼻にしわを寄せる。
自分から広めたわけではないのに、会社でもすっかりオカンポジションに収まってしまった私。まぁ、女性として扱われないことにはもう慣れっこだから、諦めているけれど。