執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~




「お、広瀬……。と、瀧内! 久しぶりだな」

 研修中にお世話になっていた大きな商業施設の中にあるINO’S COFFEEの店舗に入ると、私たちの姿に気付いた内藤店長が片手を上げて笑顔を浮かべた。

 私はこの地区の担当をしているから店舗巡回でよく店長と顔をあわせているけれど、違う地区を担当している雅文は研修以来の再会だ。

「お久しぶりです」

 内藤店長は頭を下げた雅文に向かって、「なになに。ふたりそろってくるなんて、デート?」とニヤニヤしながら肩をよせる。

「デートなんかじゃないですよ」と私が苦笑しながら否定すると、内藤店長は憐れむような視線を雅文に向けた。

「瀧内。お前まだ苦戦してるのか」
「予想以上に相手が鈍感なんですよ」
「せっかくイケメンで、俺は女に不自由したことがない百戦錬磨の男だぜ、みたいな顔してんのになぁ」
「なんですかそれ」


 男ふたりが顔を寄せ合いなにかを話している様子を、不思議に思いながら眺める。

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