執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

 私が少し離れたところから見守っていると、どうやらそのお客様は期間限定のタンブラーを購入したいと言っているようだ。お土産として二十個。しかも今日の便で日本を発つらしい。

 限定品のタンブラーはもともと数が限られている。このお店には今店頭に出ているふたつしか在庫はなかったはずだ。

 日本旅行のお土産にうちのタンブラーをと思ってもらえたのはとても嬉しいことだから、できるなら用意してあげたい。
 だけど……。


 私が頭を悩ませていると、雅文は「少しお時間いただけますか?」とお客様にたずねる。
 彼女から、この商業施設で買い物をしてゆっくりランチを食べる予定だという答えを聞いて、「それならご用意できます」と微笑んでうなずいた。


 相手の連絡先を聞くときびすを返してこちらに戻って来た雅文に小声で話しかける。

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