執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
その日フロアは雅文の話題で持ち切りだった。
「瀧内部長って、名字は違うけど社長のお孫さんなんですよね?」
「そうよ。日本にいたときは御曹司だってことを隠していたけど、その当時から飛びぬけてかっこよくて有能で目立ってたんだから。実は社長の孫でしたって公表されたときは、全女性社員が絶叫したのよ」
「うわぁ。その興奮っぷりが目に浮かびます」
楽しげに話しているのはアシスタントの女性社員。
私のひとつ年下の大山さんと、入社二年目の小山さんだ。
「瀧内部長、彼女とかいるんですか?」
「どうだろうね。断言はできないけど、ずっと前から心に決めた人がいるんじゃないかなぁ」
「え。なにその意味深発言。大山さん、なにか知ってるんですか?」
「うふふ」
「うっわ、ものすごいどや顔。もしかして大山さんが瀧内部長の彼女だったり!?」
「ばかね。そんなわけないでしょ。ああいう完璧なイケメンは、遠くから鑑賞して楽しむに限るのよ」
きゃっきゃと盛り上がる彼女たちの会話が嫌でも耳に入ってくる。