執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


「まどか」

 こちらに歩いてきた雅文に自然な口調でそう呼ばれ、驚いて跳び上がる。

「ちょうどよかった。渡したいものがあって……」

 私の動揺を無視して平然と続ける彼に、周囲を気にしながら腕を掴んだ。
 そしてひと気のない廊下の隅まで引きずるように歩いていく。

 普段人が通ることがない倉庫の前まで来ると、ようやく腕から手を放し雅文を睨んだ。

「お願いだから、名前で呼ばないで」

 声をひそめて苦情を言うと、雅文は綺麗な形の眉をあげ「なんで?」と首をかしげる。

「瀧内部長と元恋人だなんて知られたら、女性社員からの風当たりが強くなって仕事がしづらくなるでしょ」
「瀧内部長って、他人行儀だな。先週あんなに濃密な夜を過ごした仲なのに」

 耳元でささやかれ、その色っぽい声色に体がぞくりと震えた。

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