妖狐の瞳に恋をした
布団の中で翡翠に私のことを沢山話した。



両親が5歳の時に事故で亡くなったこと

大事に育ててくれた祖母が癌で亡くなったこと

一人になってしまったこと

祖母のためにと思って通った学校に肝心の祖母が亡くなって

しまったことで目標を失ってしまっていること

友達の萌のこと

バイト先のデュパンのこと

同年代の男子には緊張してしまい、未だに誰とも付き合ったことも

恋をしたこともないこと

それを、私の目をジッと見ながら静かに翡翠は聞いていた

「こんなに本心をそのまま話すなんて初めて・・・

 なんか不思議・・・翡翠にだと素直に話しちゃう。

 こんな、くだらない事を聞いてくれて・・ありがとうね」

「ク~ン」

「そろそろ寝ようか・・・おやすみ・・翡翠・・」

そのまま、私は眠りにおちていた



「おやすみ・・・瑠璃・・」


暗い部屋にその声は静かに消えていった・・
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