妖狐の瞳に恋をした
食べ終わった翡翠の皿を片付け、さっきのケガした足に巻いた

ハンカチを取ってみると、血は止まっていた。

「結構酷いケガだと思っていたけど、思ったより浅い傷

 だったのかな?血が止まって良かったね」

微笑みながら頭を撫でてあげると、擦り寄ってくる。

「キャッ!可愛い~!あったか~い!」

白い毛がふわふわして、大きな尻尾もマフラーのように暖かさを

感じた。

梅雨の時期の肌寒さには丁度いい感じだった。

「よし、今日はここで一緒に寝ようか!」

布団を持ってくると、翡翠が布団の中に入ってきた。

「この家で一人じゃないのは久しぶりだな~。なんか、嬉しいな。

 翡翠が来てくれて良かった~。

 本当は、一人が淋しかったんだよね・・・」

「ク~ン」

「翡翠、私の話を聞いてくれる?」

「ク~ン」
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