妖狐の瞳に恋をした
「そう言ってもらえると嬉しいです。

 岩井さんもゆっくりしていって下さいね」

「もちろんだよ!じゃあ、マスターもう一杯、ブラジルを」

「はい、かしこまりました」

マスターがサーバーとドリップをセットし、お湯を注ぎはじめた。

いい香りがあたりに漂う。

ほんと、コーヒーの香りって癒しだなって思う。

「はい、るーちゃんお願い」

「はい!」

淹れたてのコーヒーを岩井さんにお出しした。

ここでの楽しみはもう一つある、それはマスターがその日の気分で

いろんなコーヒーカップでコーヒーを出してくれること。

有名なブランドやあまり知られていない窯元のものなど様々だけど、

どれも素敵なカップだった。

さっきの岩井さんには、カネコ小兵製陶所 ぎやまん陶のカップが

使われていた。

私もここで働くようになってから知って、同じものを購入して

使っている。
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