妖狐の瞳に恋をした
あまり眠れないままに朝を迎えた。

珊瑚さんが女同士でゆっくりしましょうと、お茶を淹れてくれ

二人で話す時間がもてた。

正直、翡翠と二人きりでいるのが辛かったというのもあった。

「瑠璃様、今日は少し元気がないですね。」

「そ、そうですか?」

「はい、翡翠様も何か考え込んでいるご様子ですし・・・。」

「・・・・・。」

「瑠璃様には、感謝しているんですよ。」

「なんでですか?私、迷惑をかけることはあったかもしれないけど、

 感謝される覚えはないんですが・・・」

珊瑚さんの言葉に頭を捻る。

「翡翠様は瑠璃様と会われるまでは、何事もそつなくこなし若頭領

 としては申し分なく過ごしてこられていましたが、いつも遠い目

 をして自分の感情を出すことがなかったんです。

 でも、瑠璃様と出会われてからはいきいきしている様に感じます。

 何より、幸せそうです。」

「そうでしょうか?」

「はい、これは私達家族3人が思っていることなので、

 間違いないです。」

珊瑚さんは、そう断言した。
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