妖狐の瞳に恋をした
責任感や罪悪感から私と一緒にいるというのに、幸せそうなんて

そんなこと・・あるはずないのに・・・。

珊瑚さんの言葉は、私をより一層悩ませるものとなってしまった。

その後は、もっと翡翠を喜ばせようという珊瑚さんにのせられ

お化粧の練習や男心の掴み方なるものを延々と聞かせられたの

だった。

おかげで、沈んでいた気持ちも少し軽くなったように感じた。


それからの数日は、翡翠も仕事があるらしく、日中は珊瑚さんや

鴇君と出掛けたりお茶会をし、夜は翡翠とまったりして過ごして

いつもの様に一緒に眠る日々を送った。


そんな中私は、人間界での休日が明日で終わってしまうことを

思い出した。

ここでの生活は楽しいが、今は翡翠の側にいることが辛かった。

一緒にいたいのに、翡翠を縛り付けているようで堪らなかった。

だから・・・・。
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