妖狐の瞳に恋をした
「瑠璃の気持ちは分かった。

 明日、元の世界に戻れるようにしよう。」

「私の我儘を聞いてくれてありがとう。」

「いや、我儘じゃないさ。元はといえば、俺が勝手にこっちに連れて

 きたんだから。瑠璃は、元の生活に戻るだけだ。

 こっちこそ、俺の我儘に付き合わせて悪かった。

 今日はもう寝よう。」

そう言って私をいつもの様に自分の腕の中に包みこんだ

いつもはふんわりと包み込んでいるのに、今は苦しくなるくらい

ギュッと抱きしめられていた。

まるで、離さないと言われているように・・・。
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