妖狐の瞳に恋をした
その日の夜、いつもの様に縁側にいる翡翠に自分の思っていることを

告げようと翡翠の隣に座った。

「ねえ、翡翠。私・・・人間界に明日帰ろうと思うの」

「ハッ!なんで・・ここの生活は嫌か?」

「嫌ではないけど・・・人間界の休日も明日で終わってしまうし、

 あっちでの生活もあるから・・・」

「なぁ、ずっとここで一緒に暮らせないか?

 前に言ったように、俺が瑠璃を一生護るから・・・。」

翡翠の言葉が私の心を締め付ける

「翡翠、あなたが罪悪感を感じる必要はないよ。

 責任感だけで一緒にいたら、翡翠は苦しくなるよ。

 私の事は大丈夫だから、心配しないで。

 今までありがとう。

 翡翠に会えて本当に良かったと思ってる。

 だから、私を元の世界に戻してください。」

翡翠は何か言いたそうにしていたが、私の頑なな態度に口を噤んで

悲しそうな顔をした。

なんで、そんな悲しそうな顔をするの?

あなたは私から解放されるのに・・・。
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