二度目は本物の恋をしよう【番外編追加】
「あとはね、愛海の部屋行った帰りに駅まで送ってくれたとき。階段の下から手振ってくれたでしょ。
また愛海のところに戻りたくなっちゃった。」

‥‥今日で異動前の最後のデートだからかな?今日の東山さんはやたら甘くてなんて答えていいのかわからなくなる。

「愛海は?」

「私は、同じフロアで東山さんと一緒にいた時間全部幸せでしたよ。一緒の職場にならなかったら、こうしてふたりで会うこともなかったわけだし」

「そっか。
 愛海の今のプロジェクトはあとどれくらい?」

「もうすぐ終了のはずです。でもまだ今後の話は全然ないです」

「新入社員だからね。愛海だけじゃなくて全体的な人事だから。少し時間かかるかもね」

「はい。私もできれば他も経験したいので次は本部のプロジェクトがいいんですけど難しいですね」

「まあ、ね。決まったら教えて。また連絡する。このあと、どうする?」

「今日は、帰ります。体調、良くなくて…」

歯切れの悪い私を察した東山さんが

「生理?一緒に寝るだけでも俺は全然いいけど」

意外…体だけ、とは言わないけど、私と会う目的はそれが大きくしめてると思ってた。
でも今日は、食事だけ。週末だけど、ホテルなし。次のデートの約束もなし。寂しいな、でも言えないな。と、いつもと同じこと思いがら、そろそろ潮時かな、とまたいつものことを考える。

だけど、今日は思いがけず、東山さんの口から甘い言葉を聞けた。異動前のご褒美として大満足だ。

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