real feel
パンフレットの作業が終わると、会場設営の方の作業に加わり、すべての準備を終えたのは20:00過ぎ。
それから最後まで準備をしていた邦都市の職員や、参加企業のメンバーで食事に行くことになった。

あれ、佐伯主任の弟さんいないな。
近くにいた別の会社の人に訪ねてみる。

「ああ、佐伯さんだったら帰りましたよ。予定が入ってるらしくて」

「そうですか……」

話ができるチャンスだと思ったけど、仕方がない。
明日の交流会での約束があるから、その時に話せればいいんだし。
それに、佐伯主任にはまだ連絡できていない。

S・Factoryと弟さんの事を聞いてみたいし、会った事や明日話をするつもりだって事を事前に知らせておいた方がいいと思うから、良かったのかもしれない。
今夜、ホテルの部屋に戻ってからでも電話かけてみよう。

「蘭さん、何してるの。もうみなさんお店に移動始めてるから、私たちも遅れないように行くわよ」

「はい、上村課長」


──21:20

上村課長は食事の後2次会へと繰り出して行ったけど、私はパンフレットに目を通したり、明日に備えたかったから先にホテルに戻って来た。

先ずは、佐伯主任に電話。

プルルルルルル
プルルルルルル
プルルルルルル……。

……出ない。
そういえば休日出勤するとか言ってたけど、こんな時間まで仕事してるの?
だとしたら邪魔しちゃうことになるかも知れないけど、特に急ぎの仕事があるわけではなさそうだったし、休日にこんな時間まで仕事っていうのは不自然だ。

お風呂とか、出られない理由があるんだきっと。
それなら着信履歴を見てかけ直してくれるかな?
しかし、1時間待ってもかかってこない。
気付いてないのかもしれないし、気を取り直してもう一度かけてみる事に。

プルルルルルル

「……はい。もしもし?」

……………………えっ?
驚きのあまりに、何も言わずに通話を切ってしまっていた。

さっきの声、誰?
電話に出たのは佐伯主任ではなく、女の人だった。

 

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