First Snow
「おい、コラ青年よ。笑うんじゃない」
「い、や、すみませっ…ブブッ。だって、クラス最弱で図書委員押し付けられたって…」
「そういう自分だって押し付けられてるんじゃない」
はぁー。そんなじゃんけん弱いんだ…って目に涙浮かべて笑い続ける篠崎くん。
そんな笑われる自分の最弱さがいかに恥ずかしいものかを知る。
覚えてろよ、このやろう。
「俺は違います。あみだくじでなったんです」
「同じようなもんじゃない?」
「自分の意思とは関係なく、なってしまったから同じじゃないです」
そうですかそうですか。
後輩に笑われて恥ずかしさを隠すように顔を背け、再び窓際へと向かいグラウンドを眺めた。
横目で篠崎くんを見ると得意げに鼻を鳴らして持っていた本をパタンと閉じて私の方へと寄ってきた。
キッパリと格の違いを見せつける後輩に若干生意気だな、と思いながら「そーですか」と適当に返事をすると、「でも…」と篠崎くんは言葉を続ける。
「俺図書委員なれてよかったです。こうやって柴野先輩と仲良くなれたし」
「急に持ち上げたってさっき笑ったことまだ許してないからねー」
「本当に思ってるんです。柴野先輩と…」
そう言って普段よりも肩がぶつかってしまいそうな距離感に気づく。
いつの間にか真横に並びちょっと緊張した顔で真っ直ぐに私を見つめる彼に私も息を飲んだ。