First Snow


「篠崎くんもういいよー。あの先生厳しいんだし部活しに行きなよ」

「大丈夫です。たまには部活のことなんて忘れて息抜きだってしたいじゃないですか」


息抜き、ね。

こんな埃まみれの図書室がどう息抜きできる環境かは謎。


「あ…この本見たことある」


なんて時々独り言を言いながら本を手に取ってはペラペラとページを捲る篠崎くん。

床にまで散らばった本を番号順に並べ時々気になった本を読み始める彼の行動は見ていて飽きないし面白かった。


本とかあんまり興味なさそうなのにちゃんと読むタイプなんだなぁ、とか。

少しだけ弟に雰囲気が似ているからだろうか。

運動部に所属しているせいか礼儀正しくて挨拶もちゃんとしてくれるし、私のことを先輩と慕ってくれる。


篠崎くんとの当番はこれで3回目。

12月に入ると本格的に2年生の後半から受験対策が始まるので一緒に活動するのは今回で終わり。

ちょっぴり終わってしまうのが残念な気持ちになった。



役割分担をしていた私は雑巾で机やカウンターを拭いたり掃除係。

すると篠崎くんが徐に口を開いた。




「柴野先輩……なんで図書委員なんてなったんですか?」

「あれ?言ってなかったっけ。クラスでじゃんけん大会してそれに負けたの」

「なんですかそれ。一番最弱ってことですか?」

「まぁそうともいうかしらねぇ……」



するとブッと思いっきり噴き出す音がして、その音がする方を見るとお腹を抱えて震えている篠崎くんが視界に入った。
< 14 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop