First Snow
「確かに、篠崎くんとは高校時代に面識あってちょっと絡んだ時期もあったけど!私たち全然そういうのじゃないから。本当に。篠崎くんもお酒の入ったノリでみんなにせっつかれて乗ってくれただけだから。付き合ってくれてどうもありがとう!」
「じゅっ…」
「ね?!そうだよね?!私たちただの高校の先輩後輩だもんね?!」
「……それは」
「……やだなぁみんなして。心配されなくても彼氏の一人や二人作ろうと思えばできるよ〜」
アハハなんて乾いた苦笑いを浮かべてはいるが正直自分で言っててとても苦しかった。
でもお酒の勢いで饒舌になった私は否定に否定を重ねてこの場を乗り切ろうとした。
みんなは私の様子に「なーんだ。ただのノリの良い後輩くんかー」なんて笑ってこの話は終わりを迎えた。
ただ一人を除いては。
「……そうですよね。俺、ただの後輩ですもんね。……ちょっと酔っ払ったんで外で酔い冷ましてきます」
輝がどんな顔をしてそんな風に呟いたかなんて背を向けていた私は知らない。
みんなが口々に「大丈夫ー?いってらっしゃい」なんて言って輝を送り出す中、私の心臓はバクバクとうるさいまま。
友人たちは再び新郎友人席へと戻っていくのを眺めながら気が抜けたようにソファーに座り直して深くため息を吐くと、「純花、大丈夫?」と頭の上から声を掛けられた。
「美桜…」
「どうせ純花のことだから茜に無理やり二次会連れて来られたんだなぁってすぐわかった。でも来てくれてありがとうね」