【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
「……もっかい。顔上げて」


今宵の目が俺を見る。

ほんのり潤んだ瞳、赤らんだ頬。


ちゅ、と触れ合う唇。

二、三度角度を変えて触れ合ううちに、今宵の目も閉じていて。


……もっと。

こんな健全なキスじゃ全然足りないんだけど。


純粋さ、剥ぎ取りたい。


屋上のコンクリートに今宵の体をそっと倒した。


覆いかぶさって唇を交わす俺を、今宵は真っ赤な困り顔で見ている。


「……その顔、煽ってんの?」


「え……」


「……えろすぎ。……もう無理。止まんなくなった」

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