【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

ルイちゃんはあたしと音羽くんを交互に見て「え!」と声を上げた。


「じゃあもしかして、今宵が言ってた図書館の彼は……音羽くんなの!?」


「俺って、”図書館の彼”って言われてたんだ?」


すっと、白い指先があたしの頬に伸びて。

穏やかに目を細める、音羽くん。


廊下の窓から風が入り込む。
はらりとあたしの目元にかかった髪を彼の指がすくった。


「あ……大丈夫」


ぱっと顔をよけると、音羽くんは「目にはいりそうだったから」って、相変わらず親切で……。

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