【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
穏やかで静かな声。居心地のいい落ち着いた雰囲気。
全然変わらないのに、なんで気付かなかったんだろう。
顔、よく見てなかったもんなぁ……男の子ってだけで、恥ずかしくて。
「ごめんね、あの」
忘れてて、なんて言いづらい。
「気にしないで。こっちも言わなかったんだから」
ってことはやっぱり音羽くんはあたしのこと、気づいていたんだ……。
本当にあたしって……。どうしようもない。