【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
「駆くん……ひどい」
「へ? なんで?」
悪びれる様子ひとつもなさそうな彼。
「あたし駆くんが補習にならないようにって心配していっぱい教えたのに……」
「うん。だからおかげでめちゃくちゃいい点数とれた。ありがとな」
にこっと笑って、頭をぽんぽん。
「え……」
次第にはにかんでしまうあたしの顔、もっと怒らないといけないのに。だってそんなの絶対に嘘……!
「たった三日でそんなにとれるわけないもん」
「でもとれたじゃん? 今宵が教えてくれたってのと。俺結構山はりが得意だったりする」
やまはり……?
「あたしにも教えてくれたらよかったのに……」
「外れたらかわいそうじゃん。俺だって自信満々ってわけじゃねーし」
……もう、さっきからなにも言い返せない。
「でも俺けっこう頑張ったからご褒美ちょうだい」