【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

「ちょっと駆くん、すごいじゃん!!」


と叫んだのはルイちゃん。


桜色に塗られたルイちゃんの指先が大きく順位表を指し示している。


「見てよ、あれ!」


ずばっと指さされた先を見て、あたしは声を失った。



……”涼元駆”。


名前を見るだけでドキドキしちゃいそうな彼が。


”15位”の位置に名前を並べられている。


「……え……」


目を何度もぱちぱちした。


待って。


だって駆くんテスト3日前まで勉強してなくて、しかもあと1回で補習行きってくらいサボってるのに?


「……あたし、一生懸命勉強教えたのに……」


にやっと笑う駆くんが頭の片隅をよぎるよ。
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