【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
一日で一番好きな時間が今日もやってきた。
補習の教室で駆くんをみつけるとドキンっと心臓が大きくはねるの。
「駆くん」
「よ」
たった一文字にこんなにどきどきさせられる。
……好き。
静かに授業が進んでいく。
先生が喋りながら黒板に文字を書いていて。
あたしは聞こえるままにノートをとる。
一方、駆くんはぼーっとそれを眺めて、かつまんでしかノートを取らない。
カラフルなあたしのノートとは違って、ペンも一切使わない白黒のノート。
不真面目とかじゃなくて、彼なりのスタイル。
駆くんは多分、要領のいいタイプなんだと思う。
あっという間にとった15位も、満点の小テストも彼の一風変わった集中の仕方をみたらうなずける気がしてきた。