完璧人間サマは私に夢中。

「兎羽ちゃん、こっち来て。」 


「は、はい…。」


ドアの近くから部屋の奥へと誘導される。



生徒会室には長机が3つ。


1つは奥にドアから見て横向きに置いてあって、残り2つは縦向きでくっつけられて置いてあって大きな机1つみたいになっている。



1番奥の机から1枚の紙を取り出し、私に手渡される。



「来週の選挙で言う所信表明を

 これに書いてきてください。

 信任投票になるから長くなくていいよ。」


「わかりました。」


後で凛ちゃんに一緒に考えてもらおう。




「ふふっ。」


口に手を当てて笑ってるレオさん。



窓から差し込む日光が髪に当たって、セピア色になっている。


黒髪だと思っていたけど、明るいところだと茶髪に見えるらしい。



「あの…。

 なんでさっきから笑ってるんですか?」


「何でもないよ。

 …そろそろ行かないと授業遅れちゃうね。

 行こうか。」


優しい笑みを向けられる。



かっこいいとは思うけど、なんでこんなに笑ってるんだろう。


作り笑いだとか愛想笑いだとかならもっと控えめな笑いで十分だし。



生徒会室から出て、レオさんが鍵を閉めるのを待つ。


本当は早く戻りたかったけど、先に行くのも失礼かなって思って。



「選挙が木曜日だから、

 水曜日のお昼はここに来てね。」


「はい。」


「ばいばい、兎羽ちゃん。」


隣の教室に入っていくレオさん。



レオさんが入った瞬間に女の人が囲んだように見えたけど、きっと気のせいだよね。




自分の教室に戻って、午後の授業を受ける。



放課後になって、玄関で凛ちゃんを待つ。



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