完璧人間サマは私に夢中。
テスト最終日に設けた生徒会の集まりで、兎羽が全くこちらを見ようとしないことにはすぐに気づいた。
俺を拒んだことを、後悔してくれてたりしないかな。
やっぱり俺が好きなんだって、言ってくれないかな。
前期生徒会の最後の仕事のことを話しながらそう思った。
解散の指示を出してから、俺はつい兎羽と2人きりにするよう言ってしまった。
リンが珍しく大人しく全員を廊下に出させるのを見て、あぁ、兎羽はリンに話したんだな、と思った。
「この前の…、本気なんだね?」
否定してほしい。
本当は俺が好きなんだと言ってほしい。
そんな俺の願いは、兎羽の震えた弱々しい返事でかき消された。
嫌だ。
兎羽を俺だけのものにしたい。
兎羽以外に、俺の心を動かせる人はいないんだ。
忘れようと…、したくない…!
「…………わかった。
たくさん嫌な思いさせてごめんね。」
俺の想いとは裏腹に、口から出たのは兎羽の別れを承認するものだった…。