完璧人間サマは私に夢中。
まずは自分のカードを確認しないとだよね。
他の人に見えないよう気を遣いながらカードを見る。
【最も北に住んでいる人はガーデニングが趣味で大きな花壇を世話している】
【番犬は家に近寄ってくる動く知らないものに対して吠える】
【最も北に住んでいる人は極度の動物アレルギーだ】
…は、はぁ。そうですか。
最も北に住んでいる人が2枚あるのはいいことかもだけど番犬って何…?
「まずは情報共有しようか。
文字が禁止だからイラストが描ける人…」
「私やるよ〜。」
「ありがとう。藤村さんお願い。
…じゃあ自己紹介と同じ順番で
自分のカードを読み上げていこっか。
メモよろしくね」
「はーい。」
大矢くんがいて良かった〜。
こういうのって仕切る人いないと詰みだよね。
「まずは僕から。
…"最も西に住んでいる人は黒くて大きな番犬を飼っている"と、
"田中さんは渡辺さんの家の南東で、高橋さんの家の西に住んでいる"と、
ちょっと必要かわかんないけど
"高橋さんは幼馴染である伊藤さんの娘のことが好きだった"の3つ。」
「え、このゲーム恋愛絡んでくるの…?」
藤村さんが苦笑いしている。
きっと手持ちのカードには私と同様、そういう類の情報がなかったんだろう。
「俺のは"5つの家の人達は幼馴染でもない限り互いの家を行き来しない"と
"野良猫はいつも餌をくれる人の家の花壇の側で昼寝するのが好きだ"と
"野良猫はリンゴを盗もうとするが番犬に吠えられて近付けない"だった。」
「ぼくのは"レンガ造りの煙突のある家は最も北に建っている"と
"鈴木さんの家の庭には大きなイチョウの木がある"と
"この地域には野良猫が住みついている"の3つ。」
「"三角形の屋根の家がある"と
"ある人が飼っている白いトイプードルは人間にしかなつかない"と
"台形の屋根の家には田中さんが遊びに来る"でした。」
「私のは動物ばっかで
"台形の屋根の家の木には毎朝小鳥がやってくる"と
"小鳥はリンゴとみかんが好きだ"と
"直方体の近代的な家に住んでいる人は動物好きで野良猫に餌をあげている"の3つ〜!」
「わたしのは"各家の特徴はバラバラで一致しない"と
"最も西に住んでいるのは渡辺さんだ"と
"伊藤さんの娘は田中さんと結婚した"でした。」
「次あたしかな?
"この地域には全部で5つの家が円状に建っている"と
"伊藤さんは渡辺さんより東に住んでいる"と
"大きな2世帯住宅の庭には立派な梅の木がある"だよ〜。」
私の番になり、カードの内容をみんなと同じように読み上げた。
「繋げられる情報は繋げていこうか。
最も西と最も北の情報が多いからそこ中心で……。」
大矢くんの指示通りに藤村さんがイラストを整理していく。
…そして行き詰まった。