いたずらな入江くん


「………だって、浅木がむかつくこと言うから」


ほんの少しだけすねたような口調に、ますますわからなくなる。


わたし、そんなこと言った………?

全然、覚えがないよ……。


「──うわ、なんだこれっ。……更衣室、だれかいるのかー?」


そのとき、更衣室の外からマスターの声が聞こえてきた。


驚いて、思わず声を上げてしまいそうになった。


見られているわけではないけど、わたしは慌てて入江くんから静かに距離をとった。


更衣室のなかの壁に備え付けられている鏡に自分の姿が映る。


自分の首もとに咲いている赤い花に気がつき、その色と同じくらい頬が真っ赤になった。

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