COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

いつものように目を逸らされても、はぐらかされてもいい。
私はただここにいて、こうして想いを伝え続けることしかできない。

それでいい。
もしそれに応えてくれる日が来なくても、彼の傍でそれが出来るならば充分だと心から思った。

彼は何かを悟ったように目を泳がせると、ゆっくりと口を開く。

『…いつも考えてたんです。

君みたいな子が僕の事を好きだなんて、ありえない。

錯覚だと気付けば、いつか僕の前からいなくなるんだろうって』


「そんなこと…」

『わかってます。僕が臆病なだけなんです。
…でもその反面、縛り付けてでも離したくないと思う。

…情けないね』

彼は自嘲するように笑うと、私をまっすぐに見つめた。
その瞬間、彼の心に触れたのを確かに感じた。
< 341 / 449 >

この作品をシェア

pagetop