COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
いつものように目を逸らされても、はぐらかされてもいい。
私はただここにいて、こうして想いを伝え続けることしかできない。
それでいい。
もしそれに応えてくれる日が来なくても、彼の傍でそれが出来るならば充分だと心から思った。
彼は何かを悟ったように目を泳がせると、ゆっくりと口を開く。
『…いつも考えてたんです。
君みたいな子が僕の事を好きだなんて、ありえない。
錯覚だと気付けば、いつか僕の前からいなくなるんだろうって』
「そんなこと…」
『わかってます。僕が臆病なだけなんです。
…でもその反面、縛り付けてでも離したくないと思う。
…情けないね』
彼は自嘲するように笑うと、私をまっすぐに見つめた。
その瞬間、彼の心に触れたのを確かに感じた。