COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

その時、頭の中である光景がフラッシュバックした。

オレンジ色の明かりに照らされた彼の、
少年のような無邪気な笑顔。

『すっごいお腹空いた』


「何食べたいの?」

『焼き鳥』


いつか本当に想い合える相手にそういう姿を見せて、二人で笑い合って。

きっとその人を楓はとても大切にする。

そんな日が来るんだ。

彼の手を離した事は、間違いなんかじゃない。


間違いなんかじゃない。
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