COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
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毎日爽やかな朝が来る人間などいるのだろうか。
少なくとも私はそうではない。
石畳にヒールが当たる音を気怠く感じながら、曇天の空を見上げた。
昨日楓に感じた違和感の正体。
それも一日経ってみると、私の思い過ごしだったのかもと思えてくる。
あの時、まるで誰かの感情が私の中へ雪崩れ込んでくるような
そんな不思議な違和感に襲われた。
恐らく、楓との関係が元の形に戻って行くことに安堵したのと同時に、不思議な感覚を覚えたのだろう。
大丈夫。
顔を合わせれば、きっと昨日のように笑い合える。
ため息をひとつ吐き出したところで、コーヒー豆の香りが鼻を掠めた。