COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『春田くん。
言っときますけど優香先輩、かなりモテるからね?
しっかり捕まえておかなきゃだよー?』
理央はそう言いながら彼のコンテナを持つ腕を小突くと、悪戯っ子のように笑った。
「もう!理央!」
『お邪魔しましたぁー♪』
理央を軽く制すると、それから逃れるように軽快な足取りでテーブルへとスキップして行った。
恐る恐る目の前の彼の顔を見上げると
案の定当惑している様子で目を伏せて、何かを考え込んでいる。
「あの…、からかわれてるだけだから。本当にそんな事ないし」
『え…いや…、はい。
しっかり捕まえときます!!』
「ちょっと!!」
彼は私をまっすぐに見つめると、声のボリュームを落とすことなく至って真剣な表情で言った。
その言葉に奥のテーブルで理央が盛大に吹き出すと、大声で笑い出す。