素直になれない夏の終わり
「ほんと……ビックリ」
夏歩だけは、わかりやすく衝撃を受けていた。
「い、いつから付き合ってたの!?在学中?」
「なに、もしかして、夏歩って先生の密かなファンだったの?」
「えっ、そうなの?俺聞いてないんだけど」
若くて爽やか系のイケメンで、すらりと背も高く、教師であることからもわかる通り頭もいい。
そんな夏歩達の元担任は、中々に生徒達(主に女生徒)から人気があって、密かにファンクラブまであったほど。
もちろん夏歩はその一員ではないけれど、教え方が上手くて誰にでも分け隔てなく優しい先生は、純粋に先生として好きだった。
「ねえ、なっちゃん。俺聞いてないんだけど」
「煩いなあ、もう!先生として好きだっただけで、別にファンじゃない。それより、近いんだけど!もっと離れてよ」
バレちゃった、と残念そうに呟いて、けれどファンではないと言う発言にどこか安心したように笑って、津田は元の位置に体を戻す。
その一連のやり取りが終わるのを待って、美織は「もういい?」と話を続けた。