素直になれない夏の終わり
近所迷惑を顧みずに、と言うかこの時はそんなことを気にする余裕すらなく怒鳴りつける夏歩と
「いやあ、なっちゃんが昨日のことを覚えてなさそうだったから、これは言ってみたら現実になるんじゃないかと思って」
怒鳴りつけられてもなお、笑っている津田。
収まらない怒りを込めて「ふざけるなー!!」と夏歩が声を荒らげると、津田は「まあまあ、一旦落ち着いて」と言いながら、後ろも見ずに器用にベッドから降りる。
「なっちゃんもお目覚めになったことだし、ひとまず朝ご飯にしよう。いや、今からだとお昼ご飯になるのかな。まあどっちでもいいけど」
スタスタと同じ部屋の中にあるキッチンスペースに向かった津田は、夏歩に背中を向けるようにしてまずは冷蔵庫を開ける。
「あっ、そうだ。なっちゃんが寝てる間に、部屋の中綺麗にしておいたよ」
「はあ!?」
言われて、夏歩は慌てて部屋の中を見渡す。確かに、見違えるほど綺麗に片付いていた。
「美織がさ、部屋に入ったらまずは電気を点けろとか、足元に注意しろなんて言うから、何があるのかと思ったら、まさかあんなに散らかしてたなんてね。女の子の部屋とは思えない惨状だったからビックリしちゃった」