素直になれない夏の終わり
まあ確かに、洗濯物をたたむのが面倒くさくて床に積み上げておいたり(その山も今朝家を出るときに慌てていて蹴飛ばしてしまって、雪崩させたような気がする)、仕事に持って行った鞄は帰ってきたらその辺に雑に放るので倒れた勢いで中身が飛び出してしまっていたりはしていたと思う。
テーブルの上に化粧道具を広げっぱなしとか、シンクに朝食の食器を置きっぱなしとか、細々したものまで挙げるときりがないけれど、“女の子の部屋とは思えない惨状”と言う形容のしかたは決して大げさではなし間違ってもいない。
それでも、津田に指摘されるのは不服と言うか、腹立たしいと言うか。
「……確かに、ちょっと散らかってたかもしれないけ――」
「“ちょっと”じゃなくて、“だいぶ”だね」
細かいところをわざわざ訂正してくる津田を、冷蔵庫を覗き込んでいるその背中を、夏歩はムスッと不機嫌面で睨みつける。
「とにかく!どんな状態だったとしても、勝手にひとの部屋を片付けるのはどうなの」
「一応許可は取ったよ、片付けてもいいかな?って。そしたらなっちゃん、いいともー!って凄くいい笑顔で答えたよ」
「…………」