素直になれない夏の終わり
「そうだ、なっちゃん。今度さ、テレビ持ってきてもいい?」
「はあ?」
しばらくは津田の方なんて見ないと決めた矢先から、聞こえた台詞に思わず夏歩は顔を向けてしまう。
「そんなに大きくないよ。まあ小さくもないけど。床に直置きは見づらいから、テレビ台も一緒に持って来るから」
「……何言ってるの。どこから持ってくる気よ」
津田は事もなげに「俺の家」と答えた。
「考えてみたんだけど、なっちゃんの家にいる時間の方が長いし、最近は帰ったらお風呂入って寝るだけだから家でテレビ観ないし、だったらここに持って来た方が使うかなって。せっかくテレビがあるのに、飾っておくだけっていうのもね。テレビに申し訳ないでしょ?」
「いや、テレビに対する申し訳なさとか知らないから。それに、勝手にひとの部屋に物を増やすなって前にも――」
「あっ、せっかくだからDVDデッキ買おうかな。そしたら、なっちゃんと二人で映画鑑賞が出来る」
「話を聞け!」
「どうせなら、Blu-rayが観られるやつの方がいいかな?今度の休みに見に行こうか」
「こんの……!」