素直になれない夏の終わり

箸を伸ばしてご飯を掬い、おかかも一緒に口に運ぶ。
悔しい、悔しいけれど美味しい。いや、美味しいことが、悔しい。

複雑な表情で食べ進める夏歩を眺めながらサラダをつついていた美織は、少しして思い出したように立ち上がる。


「……なに?」


驚いて顔を上げた夏歩に


「いいものがあったのを思い出した。取ってくるから、ちょっと待ってて」


と残して、美織は休憩室の奥にあるロッカールームに向かって駆けて行く。

言われた通り、夏歩がお弁当を食べながらしばらく待っていると、美織は箱を手にして戻って来た。

はい、いいもの。とテーブルの上に置かれたのは、白い四角い箱。上に持ち手がついていて、ケーキを入れる箱のようだった。

ケーキ?と問いかけた夏歩の前で、美織は箱を開けて見せる。

中には、シュークリームが入っていた。それも、普通のシュークリームに比べて随分と見た目に凝っているものが四つ。
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