素直になれない夏の終わり

「でも大丈夫だよ。俺、家で使ってないやつをちょっとずつ持ってきてるから、小物も充実しつつある。あと食器もね」

「勝手にひとの家のキッチンに物を増やすな」

「収納場所の心配ならいらないよ。ここのキッチン、冷蔵庫と一緒で収納もスカスカだったから」

「バカにしてる?」

「まだまだ入りますよっていうお知らせだよ。なんでも悪い方に受け取るのは良くないよ?」


そんな風には聞こえなかったけれど、睨んだところで津田は動じない。


「ところでさ、なっちゃん。話は変わるんだけど、余ったカレーはどうしよっか。冷凍しとく?それとも二日続けてカレーライス?趣向を変えて麺にかけてみるって手もあるけど」

「……なんで二人しかいないのに余るほど作るのよ」


呆れたような夏歩に、津田はヘラっと笑って答える。


「カレーは余るほど作るのがお約束、みたいなところがあるでしょ?」

「そんなお約束は知らない」


じゃあ今日は一つ新しいことを知ったね、なんていつかと同じようなことを津田は言う。
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