【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

赤の他人である勝又さんに、突然デリケートな私生活部分に踏み込まれ、私は不快感をあらわにして顔をしかめる。

「……ご心配なく。恋愛結婚と同じとまでは言いませんが、私たちそれなりにうまくいっています。すでに同居もしていますし」

そっけなく言ってから、手の中のドリンクを煽るようにごくごく飲んだ。アルコールは入っていないと理解しつつも、少しは胸がスッとした。

「ふーん。つまんないなぁ」

「私の人生は、あなたを面白がらせるためのものではありません」

「はは、ごもっとも。……でも、少しは俺とも遊んでよ。一度はジム友になった仲じゃない」

「お断りします」

終始愛想のない返事をする私に、勝又さんはおかしそうにけらけらと笑い声をあげた。

なにがおかしいのよ……。

彼の反応が薄気味悪くて、またしても私はドリンクに手を伸ばし、気持ちを落ち着けようと一気に喉に流し込んだ。

「沖田さんならそう言うと思った。……やっぱ、多少酔わせることにして正解」

ぼそりと勝又さんが呟いたのと、私が中身を飲み干した空のグラスをコト、とカウンターに置いたのはほぼ同時。

私は急に喉のあたりが熱くなったような錯覚を覚え、動揺を隠しきれなかった。

勝又さん、今なんて……? 酔わせるって、これお酒じゃないでしょ……?

< 132 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop