【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
赤の他人である勝又さんに、突然デリケートな私生活部分に踏み込まれ、私は不快感をあらわにして顔をしかめる。
「……ご心配なく。恋愛結婚と同じとまでは言いませんが、私たちそれなりにうまくいっています。すでに同居もしていますし」
そっけなく言ってから、手の中のドリンクを煽るようにごくごく飲んだ。アルコールは入っていないと理解しつつも、少しは胸がスッとした。
「ふーん。つまんないなぁ」
「私の人生は、あなたを面白がらせるためのものではありません」
「はは、ごもっとも。……でも、少しは俺とも遊んでよ。一度はジム友になった仲じゃない」
「お断りします」
終始愛想のない返事をする私に、勝又さんはおかしそうにけらけらと笑い声をあげた。
なにがおかしいのよ……。
彼の反応が薄気味悪くて、またしても私はドリンクに手を伸ばし、気持ちを落ち着けようと一気に喉に流し込んだ。
「沖田さんならそう言うと思った。……やっぱ、多少酔わせることにして正解」
ぼそりと勝又さんが呟いたのと、私が中身を飲み干した空のグラスをコト、とカウンターに置いたのはほぼ同時。
私は急に喉のあたりが熱くなったような錯覚を覚え、動揺を隠しきれなかった。
勝又さん、今なんて……? 酔わせるって、これお酒じゃないでしょ……?