【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
出会ったばかりの頃は不器用だった小さな桜色の唇は、今や俺の動きに合わせて積極的にキスを楽しみ、濃密な甘い吐息をこぼす。
彼女の本能にそれを教え込んだのは、紛れもなくこの俺だ。そう思うとたまらなくなり、キスはより深く、官能的なものになっていく。
「可愛い」
そう呟いては、また唇をふさいで。絡ませた舌伝いに、甘い唾液を交換し合う。うっすら瞳を開けて彼女の表情を見ると、恍惚とキスに酔いしれた顔をしていて、いっそう興奮を煽られた。
「ああ……このまま抱いてしまいたい」
吐息交じりに思わずそんな言葉をこぼした俺に、美織はぎょっとして首を横に振る。
「だ、ダメです、こんな場所で……! このドレスも借り物ですし……っ」
「なら、買い取ればいいだろう。……どうやって脱がせるんだ、これ」
手のひらでドレスの背中をさすってみると、編み上げの紐に触れた。
これを解けばひと思いに……? などと先走った妄想を巡らせていると、不意に部屋の扉が外からノックされた。
「く、鞍馬様……! お邪魔して申し訳ありませんが、そろそろ別のお衣装もお試しにならないと時間が……」
先ほどいたスタッフのうちの一人の声がそう言って、俺たちを甘い世界から引き戻す。
「……なんだよ、いいところで」
「よかった……。危うく流されてしまう所でした……」
正反対の反応をした俺たちは、目を合わせてクスッと互いに笑い合うと、最後にチュッと軽いキスをしてからスタッフを呼び戻すのだった。