【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
衣装打ち合わせは結局夕方までかかってしまい、俺たちは夕飯もホテルで済ませることにした。
ふたりで最上階にあるレストランに出向き、窓に向けて設置されたカップルソファで夜景と食事を楽しみながら、打ち合わせの感想を言い合う。
「着物はやっぱり肩が凝りました……当日は髪も重くなるし、結構大変そうです」
「花嫁は大変だな。男は気が楽でいい」
「もうっ。他人事みたいに……」
機嫌を損ねて頬を膨らませる美織に、俺はふと思いついたことを言ってみる。
「ジムで鍛えるのはどうだ。今からやれば、式までにはかなり筋力が付くだろう?」
「ジム、ですか……」
しかし美織はなぜか表情を曇らせ、視線を皿の方に落としてしまう。
どうしてそんな浮かない反応なのだろう。前はジムに通うのが楽しみになりつつあるようなことを言っていなかったか?
「なんだよ、前はやる気十分だったのに、結局三日坊主か?」
「いえ、そういうわけでは……! ただ、あの時は尊さんが出張で暇を持て余していたから楽しめたわけで……今は、あなたと過ごす時間の方が大事だと思っただけです」
外の夜景を映して煌めく瞳に見つめられながらそんな可愛いことを言われると、ジムの話なんて途端にどうでもよくなってしまう。