【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「実は、私も婚約者がいまして……今、一緒に暮らしているんです」
「そうでしたか。おめでとうございます。きっと、鞍馬さんのお相手も素晴らしい女性なのでしょうね。今まで数々の浮名を流してきたあなたが、この人だと決めたわけですから」
道重社長の言葉に、俺は思わず「参ったな」と呟く。
「……そんなに流れていましたか、俺のゴシップは」
「ええ。かなりのプレイボーイだと有名ですよ。まぁ、俺も妻に出会うまでは決して褒められた女性関係ではなかったので、あなたをとやかく言える立場ではないんですけどね」
ため息交じりに告白した道重社長と目を合わせると、俺たちはそろって苦い笑いをこぼした。
しばらく道重社長と話して彼と別れた後、今度は誰と話そうかと会場内見渡す俺に、ひとりの男が近づき声をかけてきた。
「鞍馬さん……ですよね?」
見覚えのあるその顔に俺は動揺し、一瞬返事が遅れた。
スクエア型眼鏡が印象的な、痩身のこの男は……。あまり思い出したくない苦い記憶がよみがえったが、俺はとりあえず愛想笑いを浮かべて対応する。