【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
その時、店舗では買えない、機内食限定の菓子を開発してもらうにあたって、道重社長とは何度か顔を合わせて意見交換をした。
その際の彼の人となりに少なからず好感を持っていた俺は、警戒心のレベルを緩めて気軽に話しかけた。
「そういえば、道重社長は昨年ご結婚されたんでしたね。どうですか、結婚生活は」
「……惚気をお聞かせするつもりではないのですが、とても充実しています。明るく前向きな妻に支えられ、仕事も以前よりうまくいくようになりました」
道重社長の瞳は以前より穏やかさが増していて、言葉通りの幸福な結婚生活を送っているのだろうことが窺えた。
「素敵な奥様なんですね」
「ええ。……人より食欲旺盛すぎるところが玉にキズですが。食事目当てでこのパーティーにも来たがっていましたが、妻をこんな大勢の男性の中に放り込むのはさすがに心配なので、留守番してもらっています」
食事が目当てでパーティーに来たがるとは、相当食いしん坊の妻のようだ。
しかしそんな彼女が可愛くて仕方がないという雰囲気が道重社長からは見て取れ、ほほえましくなるのと同時に、俺も自分の話がしたくなった。