【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「なんで俺に言わないんだ、職場で理不尽な仕打ちを受けていること」
あ……尊さん、そのことで怖い顔をしていたのか……。
おそらく支店長に聞いたのだろう。あまり口外してほしくないと伝えてあったつもりだったのに、口の軽い人だ。
とはいえ知られてしまったものは仕方がない。尊さんはきっと、私のことを心配してくれているからこうして怒っているのだ。
私はきちんと説明するべく、彼の目を見つめ返してゆっくり話し出す。
「ごめんなさい。お話するまでのことでもないと思ったんです。頭取の娘だからとやっかまれているのは入社した頃からずっとでもう慣れてしまいましたし、業務に支障が出るほどの精神的苦痛を感じているわけでもないので」
「……それにしたってお前、自分でしたわけでもない、あろうことか先輩社員のミスを本人に代わってカバーするために残業したりしているんだろう? お人好しにも程がある」
尊さんに呆れた眼差しを向けられるけれど、私は軽く笑って、自分がモチベーションを保つためにいつも考えていることを彼に伝えた。