その少女は夢を見る
人間嫌いな僕はタイムスリップをした。
…まあ、とりあえず一言言うね。
『あの自称神殺す。』
神羅〈物騒なこと言わないでくれるかな!?〉
聞こえてきた声の方を見れば、自称神がふわふわと浮きながらそんなことを言っている。
お前僕を何処に送り込んだ、ここは何処だ、と言う意味を込めて睨みつければ、自称神は“怖い怖いやめて!?”なんて抜かしながら僕の方を震えながら見る。
そんなに怯えて、神の名が聞いて呆れるわ。
神羅〈ここは君の居た時代から150年程前だよ。〉
一回だけ言ったけど、自称神のせいでそんなに印象に残っていないだろうからもう一度言おう。
僕は歴女だ。
『150年前…って言ったら…』
神羅〈とりあえずこの時代の格好をしないと怪しまれるよね、さっき渡したバッグに袴が入ってるから着替えて。〉
『何故袴なんですか。』
神羅〈女として行動したら色々めんどーでしょー。〉
『じゃあ最初から男選べよ。』
神羅〈それもそーなんだけどね!〉
ヘラヘラと笑う自称神を一発でいいから殴りたい。
神羅〈えーと…あ、そこなら人居ないみたい!〉
『別にここで着替えても良いんですが。』
神羅〈俺は女の子なの知ってるからね…?〉
気にするのかしないのか…どちらかにはしてくれないのか。
そう思いながら仕方なく言われた方へ行き、着替える。
…武道とかしたことなかったから、着方は知らない。
わけでもなく…桜が何かとコスプレとかが好きだったから、僕もそこそこ色々な格好をしたことがある。
って言っても、桜が女の格好専門、僕は男の格好専門だったんだけどね。
『着た。』
神羅〈おー似合ってる似合ってる!じゃあ行こっか!〉
自由奔放なのは自称神もかよ。