その少女は夢を見る
小姓体験開始だってね。
『ってことで今日は土方様お願いしますー。』
ちょっとわくわくしながら土方様のお部屋に入ってそう言う。
土方「ああ、てめぇには色々やってもらいてぇことが…って何してんだ。」
『え?やー、俳句集何処に隠してんのかなー、と。』
土方「初っ端から何してやがるっ…!!」
『そんなに怒ったら眉間の皺取れなくなっちゃいますよー?』
おちょくるようにそう言えば、彼はイライラしたような顔で僕を睨む。
土方「総司みてぇな話し方すんな…!!」
『一緒にしないでくださいよー、僕にとっては彼も弄る対象です。弄れる所を探りたいんですよー。』
僕はこんな奴だ、人が居ればすぐに弄りたくなる。
例えそれが誰だとしても関係なく弄りたくなっちゃうんだ。
まあこれは性だね、母親に似たってことで許して欲しいかなって思ってるよ。
『欠点を探られるな、欠点を探れ。』
土方「…あ?」
『母の教えです、小さい頃からこう言われて育ちました。他にも、借りは作るな貸しを作れとか…人を信じるなとか…色々な教えを受けて育ちましたから。』
お前は軍隊か、って葉兄とか他の兄にツッコまれたなぁ。
土方「てめぇ本当はこの時代の生まれか?」
『やめてくださいよ、僕はれっきとした平成生まれですから。』
世代が違いすぎます、ジェネレーションギャップどころの問題じゃ最早ないです。
そう思いながら彼を見遣る。
土方「…まあ良い、とりあえず仕事を教えるからこっち来い。」
『覚え早いわけじゃないんで、覚えないからってバッシーンとか嫌ですよ?』
土方「俺を何だと思ってんだ…?」
『鬼の副長様でしょう。』
土方「よし、頭貸せ。」
『殴られると分かってて貸す馬鹿が何処に居るんですか。』
いや僕頭はそんなに良くないけど流石にこれは分かるね。
馬鹿にしないでいただきたい、殴られたくはないです。
もう一度言おう、僕はNだ。