その少女は夢を見る


『いやぁ、人遣い荒そうな気はしてたけどここまでとは。』



体験一日目の午前が終わり、一時休憩時間を取ってもらえたため部屋でぐだーっとする。



はー、思ったより人遣い荒いのは何なのかな良くないぞ鬼め。



そう思いながらぶつぶつ言い、天井を見つめる。



『…何処だよ。』



神羅〈もしかして俺探してるー?〉



軽そうな声とともに出て来たのは、自称神からクソ神に成り下がった神羅さん。



神羅〈成り下がらせないで??普通に神羅って…って今初めて神羅って言ったよね!?〉



『そう言う言われ方すると凄く悲惨に感じますよ。』



神羅〈俺を悲惨にした本人がよく言うよね。〉



僕をこんな所に送り込んどいてよく言うよね、寧ろ優しい方だと思うんだがこれは間違いだろうか。



神羅〈いやほんと…よくもまあ簡単に潜り込んでくれたなって思うよ。〉



『…というと?どこぞのあなたの敵がダメな形で変えようとしている歴史ってまさか…』



神羅〈新撰組の歴史だね。〉



それを聞いて額に手を当てる。



『…そいつやっちゃってるなぁ…。』



神羅〈んー?〉



『…新撰組の歴史を悪い方に変える…?そんなのこの僕が許すとでも思ってるんですかね…?』



そう言いながら、にこりと笑う。



『大好きな新撰組を悪く変えさせるわけないだろうが。』



そう言い、もう一度笑う。



するとクソ神はわざとらしく震えたふりをする。



神羅〈千雨は!!怒らせちゃ!!いけないタイプだね!?〉



『あらま、今更ですか。』



神羅〈改めて、が正しいような気がするかなあ!!〉



一々大声出してうるさいな、なんて思いながらクソ神を軽く睨みながら笑う。



『疲れてるんで少しくらいはお静かに?』



神羅〈スミマセンデシタ。〉



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