その少女は夢を見る


…ん??待てよ??



『心を…読んだ…?』



ふ、とその言葉を漏らしてから考える。



…いやいや、そんな芸当普通の人間に出来るわけないか。



「そうそう!やっぱり君は頭が良いみたいだね!」



『残念ながら平凡です、唯一歴史が長けてるだけの歴女です。』



「うん、そういうことハッキリ言っちゃうのか!?」



間違っていない事実を伝えれば、全力でそうツッコミを入れてくる。



ツッコミを入れてくるのなんて葉兄以来だな。



「いやまぁ…そこは実はそうなんですよ(キリッ)みたいにドヤ顔でもしてくればいいのにさ…。」



『嘘ついてもいずれバレますし。』



「その通りだけどね!!」



『とりあえずとっととここの説明とかしてください?』



「そうだったねごめん!!」



何だろうこの人、世間一般で言う残念系イケメンかな。



神羅「酷いこと言わないで!?俺は神羅(しんら)、時を司る神だよ!」



元気にドヤッと言う効果音がつきそうなほど立派なドヤ顔をしてくる。



よくトリップ系の小説を読みながら、神に対してそんな態度取るの良くないよなぁ…とか思っていた僕。



たった今その意味を理解した。



目の前に突然現れた存在が神とか言い出しても恐ろしいくらいに信じられない。



僕はオカルト系もそこそこ知ってはいる(一時期齧ったため)が、流石にねぇ…



『…無いわぁ。』



神羅「とうとう口に出しちゃったよこの子!?」



『チョコ?』



神羅「違うのは分かるよね!?」



『さっき死んだ僕が言うのも何ですけど…病院行った方が…』



神羅「そろそろ泣くよ!?」



全力で泣き真似をしている彼を少し哀れんだ目で見てしまう。



…何か、可哀想な人だなぁ。



神羅「ねえ!!可哀想って思うならさ!!信じない!?」



『無理ですかね。』



神羅「じゃあ何で心の声聞こえてると思う!?」



『僕が間違って声に出してる。』



神羅「そう来ちゃうかぁ!!!」



そんなに全力で頭抱えられるとちょっと(かなり)傷付くんだけど。



賠償金いくらが良い??



神羅「心ヤラれてるの俺だからさあ!?」



何を言っているのかよく分からないな(真顔)



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