一途な執事と甘いティータイム
「うわぁ……それはショックすぎる」
そういえばそんな話があったと思い出したようで、大河はがくりと肩を落としていた。
そんな大河の姿を見て清々とする。
「大夢くーん!お店私たちと一緒にまわらない?」
「うん、いいよー」
他の女の子に誘われた大河はくるりと体の向きを変えて行ってしまった。
やっぱり女の子なら誰でもいいんじゃん。
こんな奴が婚約者だなんて……
そんな親が取り決めた約束なんて今すぐに破棄して他の誰かと。
他の誰か……
ふわりと頭に浮かぶ有嶋の姿と"好き"の言葉。
「んー、もう。なんで有嶋が出てくるのっ」
「突然大きな声だしてどうしたの?」
「え、いや……」
「私が推測するに……もしや恋の悩みかな?」
「……っ!?」
わかりやすくガタッと音を鳴らして立ち上がってしまった私。
だって、美菜子が図星をついてくるから……
「これは後でたっぷり事情聴取だねー」
美菜子は私の反応を見て楽しそうに笑っていた。