一途な執事と甘いティータイム



『今はまだ有嶋先輩と一緒?』



「うん、そうだよ」




チラッと有嶋の方を見ると不思議そうにこっちを見ていた。



私はなんでもないというふうに首を横に振る。




『そっか。じゃあ有嶋先輩と一緒に花火みるんだねっ』



「あっ、えーっと、私美菜子と一緒に花火見たいなぁ?」




今からそっちに行けば間に合うでしょ?



だから……




「おっと、それは約束違反じゃないですか?」



「あ、有嶋っ?」




さっきまで教室の端にいたよね?



いつの間に!?




『ふふっ、おじゃま虫は退散するね?菓乃、ふぁいと!』



「あっ、ちょっと美菜……」




美菜子との通話は切れてしまった。




「お友達と見たい気持ちもわかりますが、私か大夢、どちらかを選んでくださいと言いましたよね?」



「あぁ、えーっと……」



「こうも言いました。約束を破ったらお仕置きをすると」




きっと今の私の顔は引きつっている。



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